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<title>立って歩け、前へ進め</title>
      <link>http://untitled.ycool.com/</link>
      <description><![CDATA[]]></description>
      <pubDate>Tue, 29 Apr 2008 06:04:33 GMT</pubDate>
      <lastBuildDate>Tue, 29 Apr 2008 06:04:33 GMT</lastBuildDate>
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        <title>立って歩け、前へ進め</title>
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        <title>天空伝　その七</title>
        <link>http://untitled.ycool.com/post.857783.html</link>
        <description><![CDATA[俺は初めて、自らの力で空を飛んだ。どこまでも続く地平線、そして空。地上の風景はまるで箱庭のようだ。地上で戦う仲間の姿が、空港が、すべてのものが手に取るように見える。それらは、空の大きさと比べたらなんと小さいことか。俺たちの暮らしている社会がなんと小さいことか。あの小さな世界の中で、泣いたり笑ったり、喧嘩をしたりいがみ合ったり、競い合ったり。それで今はすべて、眼下の小さな世界のことなのだ。俺はやらねばならないことは、この眼下に生きるものたちを、守ることなのか。<br />
そうはさせん。妖邪界広しといえども、空を操る技を持つのは、このガリュウダだけ。阿羅醐さま、しかと御覧あがれ。<br />
まずい。<br />
この空を、妖邪のものにしてたまるか。真空波。<br />
わ、わしの、わしの力は。<br />
空の戦士天空の前には、貴様ごときの力には何もできんと知れ。<br />
逃げるか。<br />
やめとけ、秀。奴にはもう何の力も残ってはいない。<br />
さあ、もう一度加勢よ。力を貸したまえ。<br />
キャプテン、墜落します。<br />
機体が、機体が上だぞ。機体上昇、一気に一万メートル。<br />
契機、正常に戻っています。<br />
わかっています。ソロともラターも正常だ。よし、このまま着陸アプローチに入れる。<br />
しかし、なぜなのか。<br />
おう、機長、左後方を見てまえ。君は、信じられるか。<br />
キャプテン、私も信じられません。この機体に並んで飛んでいる、青色の鎧のようなものが。これは、間違いなく人間です。<br />
そうだな。ようし、着陸アプローチに入ってくれ。<br />
ラシャ。<br />
やった、機体が上昇したぞ。<br />
当麻は気流を操ったのだ。あれは、本当の天空の鎧の力なのだ。<br />
空を守り、空を翔る、天空の当麻。<br />
すごい、当麻こそ、真の天空の戦士だ。<br />
実際のところ、俺は驚いている。まさか、自分が空に浮き上がることができるとは思っていなかったからだ。しかし天空の鎧は、空気の流れを操り、その気流に乗って空を翔けた。地上で戦うことよりも、本当はこうして空から地上を眺め、人々を守るのがこの鎧本来の役目なのかもしれない。俺にはそう思える。そして、どこまでも続く、空と大地の狭間で、俺は俺のなすべきことをさどったきがした。常に正しき公平な目を持ってすべてを見守ること、自らの視線を雲のように天高くおくこと。それは嘗て、迦雄須が俺に残したこと。雲を射る、そのことと同じではないのかと。ゆっくりと降りていく俺の視界に、四人の仲間の姿が見える。笑顔で手を振っている、あの四人こそ、俺は始めて仲間になった、かけがいがないともだ。...
]]></description>
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        <pubDate>Thu, 08 Sep 2005 13:09:27 GMT</pubDate>

      </item>

      <item>
        <title>天空伝　その一</title>
        <link>http://untitled.ycool.com/post.856793.html</link>
        <description><![CDATA[たかが出迎えくらいに、何も皆がついて来なくたって大丈夫だったんだぜ。<br />
成田に関西人のお前一人では、不安ではないか。<br />
そういうお前は東北じゃないか。飛行機なんて見たことあるのか。<br />
失敬な。立派な空港くらいいくらでもある。<br />
それは知らなかった。征士を見てると、かごか、早馬しか知らないんじゃないかと思ってしまうんでね。<br />
残念ながらそう言った風情のあるものは、なくなって久しい。<br />
それは寂しいことで。<br />
当麻君。<br />
あ、あれが。<br />
だから言ったろう、かなり変わってるぞって。<br />
確かに、あれが、母親には見えんな。<br />
あれで悪かったね。<br />
御免ね、なんてトラブルなんてらしく、少し飛行機が遅れちゃって。<br />
ああ、そうなの。<br />
珍しいな、当麻君が迎えに来てくれるなんて。<br />
ちょうど、こっちに来てただけだよ。<br />
でもうれしい。あら。<br />
はじめまして。<br />
こちらこそ。<br />
友達だ。<br />
伊達征士です。<br />
うそみたい。<br />
は。<br />
だって、当麻君に聞いてたより、ずっとかっこいいんだもん。<br />
それはどうも。当麻、貴様人のことをなんと言ったんだ。<br />
お袋。<br />
ねえ、伊達君でも持てるんでしょう。<br />
ええ、一応。<br />
うれしいな、当麻君の友達が、女ハンサムの少年で。<br />
お袋ね。俺だって、友達が褒められるのがそれは悪い気がしないよ。だけどね。<br />
そうだ当麻君。今度、あなたがお世話になってるっていう、他の方たちにもご挨拶しなくちゃね。<br />
皆、あちらのロビーまで来ています。<br />
おい、うれしい。楽しみだわ。<br />
いいよ、お袋。子供じゃあるまいし、母親が挨拶なんて。<br />
何よ、いいじゃない。あたしが会いたいんだから、当麻君だけが独り占めなんて許せないわ。<br />
ねえ、それよりどうだったの、ニューヨークとロスは。<br />
何時行ってもすごいわ。あのパワーは、日本人にはどうやって出せないな。これであたしは、日本では味わわないよね。これからの人間は、国際感覚と十分身につけていかなきゃだめよね。ちょっと待ってて。しゃり電話してくるから。<br />
なるほど。確かにお前の言うとおりだな。変わってる。<br />
だろう。<br />
俺は当麻、天空の鎧を預かる鎧戦士、羽柴当麻。人は俺を生きるコンピューターとか、天才だとかいう。ほんの少し、他の子供より頭の回転が早かった俺は、いつも特別な少年として、扱われてきたようだ。確かに俺の育った環境は、えいきんてきな家庭環境ではない。父は科学者だし、母はあれでも国際ジャーナリスト。知的環境といえないことではない。しかし、どっちらも家にいることはめったにし、たまの、一家団欒の会話も、世界の再選誕生後の交換ばかりだった。兄弟もなかったからか、俺は確かにあまり子供らしい興味とかも持っていなかった。でも俺にはそれが特殊だという実感がない。両親との会話が結構楽しかったし、一人でいる時間も、自分のやりたいことをやって自由に依存した。だけど周りにとっては、やはり俺は特殊なこともだったようだ。それは年不相合な知識を持ち、勉強が大好きな特別な少年なのだ。そして、俺自身も無意識にそれが当たり前だと思えていたかもしれない。それに気がついたのは、この四人の仲間に出会ったからだった。なぜなら俺にとって、仲間という存在は、初めての経験だったからだ。自分が仲間の中でどう振舞ったらいいのか、どうやったら友達らしくできるのか、俺には皆目見当はつけなかった。そしてその迷いは、つまらない摩擦になって現れた。それは新宿の阿羅醐城を倒し、戦いの疲れを癒すための、共同生活が始まって間もないのころのことだった。...
]]></description>
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        <pubDate>Wed, 07 Sep 2005 17:09:57 GMT</pubDate>

      </item>

      <item>
        <title>２－２　昼メロバージョン</title>
        <link>http://untitled.ycool.com/post.855084.html</link>
        <description><![CDATA[あ、今日も雨か。<br />
お、伸じゃないか。そんなところで何してんだ。鮪のように横になっちゃって。そのことは、人に示すなよ。<br />
ちょっと、おなかが痛くて。<br />
腹。なんだ、食いすぎか。<br />
秀じゃあるまいし。<br />
何だと。俺だってな、食いすぎ以外の理由で、腹痛起こすことがあるんだぞ。飲みすぎとか、寝冷えとか。<br />
いた。<br />
おい、伸、どうしたんだ。<br />
昼メロバージョン<br />
おい、皆、伸が、伸が倒れたって。本当なのか秀。<br />
ああ、本当だ。<br />
いったいどうして。<br />
落ち着け、遼。<br />
落ち着けなんか要られるか。<br />
遼。<br />
伸が倒れたなんて。俺、伸が具合悪いのを全然気がつかなくて。<br />
遼。俺たちが心配なんだ。とにかく座れ。<br />
すまない当麻。俺、びっくりしてどうしていいか分からなくて。<br />
俺のほうこそ、逃ったりして悪かった。<br />
しかし、いきなりどうしたというのか。昨日までがなんともなくはずだが。<br />
そうだよ。昨日は庭で俺に望日を教えてくれたんだぜ、おまけに、今朝だって一緒に飯食ってたし。<br />
ほとんど手はつけてなかったけどな。<br />
そういえばそうだな。<br />
伸は一度だって俺たちに、痛い、疲れた、もう嫌だ。この言葉を言ったことはないだろう。あいつは大丈夫そうにしたからといって本当にそうとは限らん。<br />
あいつ、水臭いよ。俺たちは仲間じゃないか。<br />
医者、医者は。<br />
今診察中だ。<br />
しかし、焼けに長いな。ただの診察なら、そろそろ終わってもいいはずだろう。<br />
おい、当麻、伸の奴、何か重い病気じゃないだよな。な。<br />
分からん。<br />
こんなことにばっかりまじいなんかよ。<br />
とにかく、伸が倒れたことが事実だ。俺たちにはどうしようもない。<br />
伸。<br />
それより、俺たちに責任がなかったか考えるべきだな。<br />
私たちの、責任。<br />
そう。例えば、伸に迷惑かけたとか、ショックを与えたとか、ああ見えても神経の細い奴なのかもしれない。何せ気配りのA型だからな。<br />
俺のせいだ。<br />
それなら、遼だけではないだろう。<br />
例えば、伸は唯一の高校生だろう。<br />
え、本当か。<br />
高校生には、中学生の俺たちには分からない何か大切な事情があったのかもしれん。俺たちは所詮義務教育、何とかなるかもしれないが、伸は確実に留年。<br />
俺、伸からそんな話聞いてないぞ。<br />
あいつは人に心配をかけることを死ぬほど嫌がるからな。<br />
そんな。それじゃ、俺たちは何のための仲間なんだ。俺は不甲斐無いばっかりに、皆に迷惑をかけてばかりで。俺は心配しちゃ行けないのか。<br />
お、おれだって伸にはいっぱい迷惑かけちまったしよ。つい、憎まれ口叩いちまったし、あいつの陰険口調が我慢できなくて、喧嘩口にもなっちまったし。<br />
そんなことじゃあの鉄の心臓は参らんだろう。<br />
お前今さっき伸は神経が細いって言ったじゃないか。<br />
かもしれないといったんだ。<br />
だから国語の点数がいい奴が嫌いなんだよ。<br />
例えば、環境の激変。<br />
環境。どういう意味だ。<br />
例えば、妖邪との戦いで、俺たちはただの中学生だった。なのに、高校生である伸、この僕は単位が取れなくても戦いに出なければならなかった。<br />
どれが僕だだれか。<br />
山口県の田舎で、ひっそり畑でも作ってプチトマトでも栽培するのが僕の夢だったのに。<br />
伸の家には畑なんかないと言っていたぞ。<br />
家にはかわいい犬や猫や鳶や雉や猿やマングースやヤンバルクイナがいて。<br />
なんてマングースやヤンバルクイナもいるんだ。<br />
奥さんは山へ洗濯に。<br />
何故山で洗濯できるのだ。<br />
僕は川へ意地悪をしに。<br />
そのようが伸らしいな。<br />
そんな、そんな些細な夢までも奪い去った阿羅醐と愉快な仲間達。<br />
当麻のほうがよっぽど愉快だ。<br />
僕は、阿羅醐が憎い。<br />
俺が悪いんだ。<br />
いいい、いきなりなんだ。<br />
俺が、俺が頼りないばっかりに、伸は実家に帰りたくても帰れなかったんだ。<br />
あいつは帰りたかったら何があっても帰るぞ。<br />
俺が、俺が不甲斐無いばっかりに。<br />
皆に迷惑をかけてばかりで。<br />
許さんぞ、秀。おジャクリがよぜ。<br />
お。分かった。謝る、謝るよ。<br />
伸に、伸にもしものことがあったら、俺は、俺は。<br />
遼。お前だけのせいではない。<br />
征士。<br />
伸に迷惑をかけたのは私も同じ。家事そのほうだ、伸ができるのもいいことに、任せ切りにしたの私も同罪だ。<br />
お、俺だって、今遼を怒らせじまったけど。<br />
秀。<br />
お、俺だって、伸と喧嘩ばかりとしよ。伸の大切に取ってうったチーズケーキ黙って食っちまったし、伸の本破っちまったのに黙ってたし、伸の部屋のベッド壊したのに知らん振りしてたし、伸がお握りように炊いた米全部きれい夜の中に食っちまったし、伸が横にいて隙に伸の言う犯す全部留守んだし。それからの。<br />
違う。やっぱり俺のせいだ。<br />
いや、私の。<br />
いや、俺のせいだよ。<br />
俺が悪いんだ。伸。<br />
なんだい。<br />
伸。<br />
あれ。遼はどうしたんだい。涙いっぱい貯めちゃって。<br />
伸。お前医者は。<br />
とっくにお帰りになったよ。<br />
お、お前、あんなに苦しんでたのに。<br />
嫌だな、ただの盲腸だよ。で、今薬でしあがるからさして痛くはないんだけど、念のためにいい機会だし、来てもらうと思って。<br />
妖邪との戦い。<br />
畑のプチトマト。<br />
川へ意地悪をしに。<br />
皆、いったい何言ってるんだ。僕、ちゃんと当麻に伝えといたよ。盲腸みたいだけど、薬は利いて来たから心配するなって。<br />
何。当麻。<br />
お、ようやく雨が止んだようだな。<br />
当麻。<br />
さ、伸、盲腸取りに行こうか。...
]]></description>
        <guid isPermaLink="true">http://untitled.ycool.com/post.855084.html</guid>
        <pubDate>Tue, 06 Sep 2005 14:09:52 GMT</pubDate>

      </item>

      <item>
        <title>２－３　遼の朝食</title>
        <link>http://untitled.ycool.com/post.855082.html</link>
        <description><![CDATA[ただ今から午前五時三十五分二十秒をお知らせします。<br />
ただ今から午前五時三十五分三十秒をお知らせ<br />
さあ、やっと御飯が炊けたぞ、白炎。<br />
こんな朝早くから何してるのかって。今日は俺、皆に朝ご飯を作ってやろうな。<br />
それにしても早すぎるって。白炎、俺、何時も何時も、皆に迷惑かけてばかりだろう。だからせめて、朝ご飯ぐらいは一生懸命作って、少しでも皆に恩を返さなきゃ気が済まなくてな。<br />
ちっとも優しくなんかないさ。何にも言わずに俺を助けてくれる皆のほうが、よっぽと優しいよ。<br />
えっと、ここで若布を入れて、やっぱり味噌汁は、勝を出したよな。あ、そろそろ魚入れるところかな。<br />
遼。どうしたんだ、こんなに早く。<br />
当麻こそどうしたんだ。朝寝坊で有名なお前が、こんな朝早くから歩き回っているなんて。<br />
確かに俺は寝起きが悪い。しかし、寝なければちゃんと起きている。夕へは寝なかったんだ。種火について研究をして。話題を戻そう。こんなに早くから、何をしてるんだ、遼。<br />
朝ご飯作ってるんだ。<br />
まずい、まずいぞ。遼の飯は、あれが人間の食い物じゃない。無敵の胃袋を誇る秀が、遼の飯を食った後二日間寝込んじまったんだもんな。何とかして回避しないと。智将天空のなが。<br />
な、遼。今まだ六時前だぞ。皆の朝食時間は何時も九時だろう。<br />
む。でも、ほら、俺、鈍臭いだろう。<br />
遼、お前は怪我が治ったばかりで、まだ本当の体じゃないんだ。皆心配するだろう。<br />
でも、俺何時も皆に迷惑かけてるし、こんなことぐらいしかできないし。<br />
何言ってるんだ。お前にはお前にしか出来ないことが沢山ある。さ、今日の朝飯は俺が作るから、だから寝てろう。<br />
嫌だ。<br />
遼、あのな。<br />
嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。<br />
遼。<br />
俺が、どうしてもやりたいんだ。せめて、恩返しくらいはさせてくれよ。<br />
あいつ、本当に素直で、単純で、かわいい奴。でも、それとこれは別問題だ。俺はまだ死にたくない。<br />
分かった。遼、お前がそこまで言うのなら、頑張れ。<br />
当麻。<br />
俺はちょっと用があって、出かけてくるけれど。<br />
何処行くんだ。<br />
ちょっとな。<br />
そうか。<br />
遼の手作り料理が食えなくて、残念だがな。<br />
ただいま。<br />
あれ。遼、皆は。<br />
よく分からないんだ。朝ご飯を食べ始めたら、急に苦しみだして、今病院へ。<br />
皆どうしたんだろう。やっぱり妖邪の仕業だろうか。<br />
それが誰もいえぬはな。遼のせいだとは口出が避けてたもん。<br />
そうだ、当麻。腹減ってないか。お前、朝ご飯も食べずに出て行っただろう。俺当麻の分もちゃんと残しといたんだ。一生懸命作ったんだぜ。いっぱい食べてくれるよな。な、当麻。<br />
おい、お前、何真っ白になったんだ。当麻。当麻。当麻。<br />
い、いただき、ま、す。...
]]></description>
        <guid isPermaLink="true">http://untitled.ycool.com/post.855082.html</guid>
        <pubDate>Tue, 06 Sep 2005 14:09:31 GMT</pubDate>

      </item>

      <item>
        <title>天空伝　その五</title>
        <link>http://untitled.ycool.com/post.853825.html</link>
        <description><![CDATA[キャプテン、このままでは墜落します。<br />
空港は目の前だ。契機がしでやってみるな。<br />
しかし、エンジン出力のバランスが。<br />
やってみる前に諦めるな。感でもいい、やってみるんだ。<br />
まずい、旅客機が。<br />
あのままじゃ墜落するぞ。<br />
ここは俺たちが引き受けた。当麻、お袋を守りに行くんだ。<br />
しかし、相手は空の上だ。<br />
何とかできるのはお前しかいない。<br />
自分の母親の命がかかっているかもしれないんだぞ。行くんだ。<br />
考えてる暇はないんだよ。海の守りが水滸の僕なら、空の守りが天空の当麻しかいないんだ。<br />
空の守り。<br />
空の戦士天空が、空を守らなくてどうする。それに、お前のたった一人のお母さんが乗っているかもしれないんだぞ。お母さんが死んでしまってもいいのか。<br />
遼。<br />
貴様は天空の戦士だろうが。<br />
そうだ、今ここで、俺たちの誰よりも力を発揮できる野は、当麻なんだ。<br />
皆の誰よりも。分かった、やってみる。<br />
どうする気じゃ。<br />
貴様たちにこの空を遣させはしない。皆の心を無駄にしないためにも、なんとしても旅客機を無事に着陸させて見せる。天空の矢よ、われに力を貸したまえ。<br />
と、当麻の体が。<br />
当麻が、飛んだ。<br />
天空の矢が作り出した、力強い気流に乗り、俺の体が宙になった。いや、紛れもなく空に飛び上がったのだ。俺を包んでいる天空の型の鎧は、風をいっぱい孕んで開き、鎧の中を力強く、心地よい風が通り抜けていく。己の作り出した空気の流れに乗って、天空の鎧は。<br />
俺は地上を遥かに見下ろし、天に向かって飛翔したのだ。飛んでいる、俺の体が。天空が飛んでいる。<br />
当麻が、当麻が飛んでいる。<br />
あいつ、何時の間に。<br />
すげぇや。本当に飛んであがる。まいったぜ。<br />
やっぱり。当麻は本当の天空の戦士だね。<br />
ああ、ただの腹が立つ天才じゃないや。空の鎧戦士だぜ。...
]]></description>
        <guid isPermaLink="true">http://untitled.ycool.com/post.853825.html</guid>
        <pubDate>Mon, 05 Sep 2005 14:09:33 GMT</pubDate>

      </item>

      <item>
        <title>天空伝　その四</title>
        <link>http://untitled.ycool.com/post.853789.html</link>
        <description><![CDATA[えん。分かってる。大丈夫だって心配しないで。じゃ元気で。姉さんと兄さんにもよろしくね。<br />
変わりなさそうだね。<br />
ああ、皆によろしくって。<br />
そうか。伸にはお母さんとお姉さんがいるんだったな。<br />
そう。それでもう直に義理の兄さんまでできるんだぜ。<br />
一人っ子の遼に悪いな。<br />
馬鹿、気を使わないよ。人は人さ。<br />
そうだよな。だったら俺なんてどうすればいいんだよ。家んとこはもう人ばっかしたぜ。<br />
家族が多ければよいというものでもないからな。<br />
征士も苦労するよな。女が強い家庭ってな。<br />
大きなお世話だ。<br />
そういえば俺も、大分留守番電話を確認してなかったな。ナスディ悪い。借りるぜ。<br />
どうぞ、かまわないわ。<br />
お、留守電。お前が出るの。聞かせわよ。<br />
こら、よせって。<br />
まあいいじゃないか。な、なんだよ。<br />
おい、おい、秀。<br />
はい、羽柴です。暫く留守にしますので、お名前とご用件をお願いします。<br />
おほう、すっかしてやるの。<br />
馬鹿、こら、かせな。<br />
なんだよ。いい、いいじゃないかよ。<br />
何だ、まだ帰ってないのか。はい、電話よこせよ。<br />
誰だ、こいつは。<br />
知らない奴。<br />
いるんだよね、名前を言わない奴って。<br />
研究が長日とが、暫くは戻れ。以上。<br />
やれやれ。<br />
親父さん。<br />
まあねえ。<br />
当麻君、今留守なんだ。今度の日曜、四時ころに成田に着くんだ。今度、お土産持って行くからね。また、夜に電話するわ。じゃあね。<br />
おう、女だ、女。それもやけに馴れ馴れしいぞ。<br />
馬鹿、お袋だよ。<br />
え、あれが。え、さあ。<br />
どうしたのだ。<br />
当麻のお袋さん。めちゃ若いあの、当麻のことを、当麻君だってよ。<br />
へえ。<br />
そうなんだ。<br />
いや、あれはその、あの人は。<br />
何を照れ照れ。<br />
喧しい。<br />
で、当麻なんなのよ。<br />
いや、今度の日曜日に、お袋が留守から帰ってるって。<br />
あら、じゃあ迎えに行きましょうよ。<br />
ああ、賛成。俺、当麻のお袋さん見たい、絶対見たい。<br />
えん、俺も見たいな。ジャーナリストなんだろう。<br />
それに当麻は成田に行った事はないでしょう。迷子になったら大変。<br />
それはそうだ。<br />
ついでに東京の様子を見てこれるじゃないか。<br />
よし、決まりだ。<br />
おい、勝手に決めるなよ。<br />
いや、皆の意見が一致したんだ。これは決まりだな。<br />
やれ。<br />
お袋さん見ちゃるんだ。やれぇ。<br />
こいつら何なんだ、こんなれや。<br />
見ちゃ、見ちゃる。見ちゃるんだやれぇ。<br />
はっきり言って、俺の母は年はもちろん若い、十八で俺を生んでいるから、まだ三十二だ。その上仕事のせいか、いや、あれは持って生まれた性格なんだが、とにかく年以上に長見が若い。若いというより、素っ飛んでる。とてもあれが国際ジャーナリストとは思えない。そして、離婚してうちを出たにもかかわらず、やっぱり俺を一番人間に扱うのも、母なのだ。<br />
もう東京に妖邪の影はないな。<br />
む、今のところは心配はなさそうだ。<br />
沙嵐坊の例もある。まだまだ安心はできないぞ。<br />
阿羅醐があの時滅んだという確証もないしね。<br />
しかし、何時来ても人こは混んでるな。早めに出て来て正解だったぜ。<br />
は、これ俺のサンドイッチだぞ。<br />
へえ。は、もう呑んじゃった。<br />
貴様。<br />
こんなこともあろうかと。ほら、当麻。お握り作っといた。<br />
お前。<br />
いい女房なるぞ。<br />
何言ってんだよ。<br />
さ、後は成田にちょくせ。<br />
ええ。時間もたっぷり。俺絶対空港のレストランに入るぜ。<br />
ええ、まだ食べる気。<br />
お前の胃はどうなってるの。<br />
なんだ、いいじゃないかよ。<br />
母は、俺の十二歳の時に、あのやっかいな、マッドサインティスの父と離婚し、仕事一本の生活に戻った。もともとうちに収まっているたまではない。父と母が、年は十歳以上の違うが、俺の目にはけっこう仲がよかった。でも、互いに仕事が大好きな二人だ。夫婦というだけで、自分たちの行動範囲を狭めてしまうのが嫌だったんだろう。俺も、俺の存在のために両親を縛っていくのはいやだったし。あの二人なら、離婚したってそれを気に病むようなことはないだろう。二人には自由に生きてもらいたかった。俺みたいな冷えた息子に付き合って、せっかくの才能をつぶしてしまうなんてもったいない。俺はそう思ってた。<br />
あれ、おかしいぞ。<br />
なにが。<br />
ほら、あそこ。ずっと向こうのそらだ。飛んでる旅客機の動き。<br />
本当だ。おかしいぞ。<br />
今さっきまではなんでもなかったのに。<br />
動きがめちゃくちゃだ。なんかトラブルがあったとしか思えん。<br />
事故か。<br />
まさか、ねえ皆、妖邪の仕業では。<br />
妖邪の。<br />
おい、見ろ。鎧の玉が光ってる。<br />
俺のもだ。<br />
どうやらこいつは、ただの事故ではなさそうだな。<br />
ナスディ、空港はここから近いのか。<br />
もうすぐよ。<br />
よし、じゃナスディは先に空港へ行ってくれ。俺たちはここで降りる。<br />
行くぞ、皆。<br />
おう。<br />
気をつけて、皆。<br />
...
]]></description>
        <guid isPermaLink="true">http://untitled.ycool.com/post.853789.html</guid>
        <pubDate>Mon, 05 Sep 2005 14:09:57 GMT</pubDate>

      </item>

      <item>
        <title>２－４　サスペンスバージョン</title>
        <link>http://untitled.ycool.com/post.852658.html</link>
        <description><![CDATA[さてと。<br />
あ、あれ。ドアが開けない。どうしたんだ。何で開かないんだ。まさか、閉じ込められ。お、おかしい。体が、体が、言うこと聞かない。い、いきなりやられてしまうとは。<br />
サスペンスバージョン<br />
ここ最近、妖邪の攻撃がない。平和な日々が続くことは良いが、そのことに甘んじて安堵に溺れてしまう、そういう自分が怖い。もし、もしここで妖邪の攻撃を受けたら。まずい。<br />
い、痛く、な、ないぞ。ちょ、ちょっと右の小指がつ、つ、机の角にちょっと当たっただけだ。大丈夫だ。い、痛くない。痛く、ちょっとだけ痛い、かな。<br />
征士の今夜の素振りは終わったのかな。部屋替えで征士を一人部屋にして正解だった。ね、遼。遼。遼。<br />
二時。何処行っちゃったんだろう。どっかで寝ちゃってるのかな。もう起きてても寝てても目が離せないんだから。<br />
情けない。気が緩んでいる証拠だ。鍛錬の最中にこんな間抜けな失態を犯してしまうとは。駄目だ。妖邪に対する恐怖と自分に対する不安を払拭しようという心が、逆に足元の泥濘を見失わせてしまった。自分が求めているものに近づこうとして、遠ざかっていることに気が付かない。体を鍛えることより、先にこの堕落した自分の心を鍛えなくては。そうだ！禅の本が確かこの辺に。あ。細木数子の天中殺入門。ああ、違う違う。む。あ、あった。これだ。<br />
あれ。廊下の電気付け変えておいてて当麻に言ったはずなのに。秀の奴、また深夜番組見てるな。この前も目を真っ赤にしてたのに。ま、偶には生きることが大切だけど。でも征士が見たら怒るんだろうな。<br />
何だ。中に誰かいるのか。あ、遼か。何してんだよ、遼。<br />
開かない。<br />
遼。いるんだろう。どうしたんだい。ね、開けてくれよ。遼、遼。<br />
何。<br />
何だ。伸の声だったような。おい、おい、当麻。ちょっと起きろよ。今伸の声が聞こえたんだ。<br />
しょうがねな。よし、勿体無いけど。当麻、夜食用の冷えた冷麦。<br />
体が敏感なくせに、何で頭が鈍感なんだろうな。<br />
お前な、何で。なんで枕もとにクーラーボックスがあるんだよ。<br />
寝起きのその観察力は素晴らしいんだがらな。<br />
もう、人の話を聞けよ。だから部屋を換えるのが嫌だって言ったんだ。何だお前と同室なんだ。<br />
よ、当麻。頭も冴えているようだが。目は覚めたか。<br />
何だこの気配。<br />
だからな、先伸の叫び声が聞こえたんだ。<br />
本当か。またベッドから怒ったんじゃないのか。<br />
いや、部屋の方じゃない。俺がそんなことでいちいちお前を起こすかよ。<br />
む、分かった。お前を信じよう。ナスヂィが留守の間に何か事故が起こったとなった、留守を預かってたこの俺の責任になるかな。な。<br />
お前、何縫い包みの坊さんと喋ってんだ。俺はこっちだ。<br />
何々。手拭と袈裟を竿に並べ掛けて、桶に八分目の水をくんで右手に持つ。それで入り口で履物を換えて、左手で扉を閉める。左手を桶の水で流し清めて桶を正面に置く。両足で台を踏んで跨ぐ。笑ったり歌ったりしてはならない。終わったら、また右手に桶を持って左手で流し清める。あ、こうか。そして両手を洗い清める。まずはいで三個土団子で三個さいかちで一個、都合七度のうちに水で洗い清める。<br />
なかなか奥が深いな。む。やはり体を鍛える前に心を鍛え直すべきだな。そうだ、伸に相談して、明日から皆で禅の修行を行うことにしよう。<br />
この屋敷も、こう歩いてみると、けっこう広いな。<br />
ああ。そうか。考えてみると、戦闘ばかり続いて、日常の中の自分たちの生活している家とか、粮とか、そういうものあまり考えて見たことはなかったな。<br />
ちょっとだけ悲しいような、そう言うのって。戦闘に対する身我慢も大切だけど、ちょっと遊びだよな。<br />
何を言ってるんだ。お前は何時も。<br />
どうした。<br />
電気がついてる。<br />
何だこの気は。<br />
すごい気だ。秀、気をつけろ。<br />
伸、起きているか。ちょっと相談したいことがあるんだ。<br />
あ、いや、決して部屋割りで私一人を阻害し。あ、そんなことでは決してないぞ。ただ、ここ最近妖邪が現れなくなって。まあ、現れないことは嬉しいんだが、ちょっと皆の気が緩んできたように思える。こういう時こそ、初心に戻り、原点に返って。<br />
何。この声は秀。当麻。<br />
伸、遼。起きろ。何か起きたぞ。<br />
どうした。いないのか。伸、遼。<br />
いない。いったい皆は。<br />
トイレ。妙な殺気を感じる。ここか。<br />
あ、開かない。皆そこにいるのか。四人で何をやっている。私も中に入れてくれ。おい、返事をしろ。<br />
これでサムライトルーパー5人をわが手中に捕らえた。労せず罠に填まってくれたな。<br />
な、何者。姿を見せろ。<br />
せ、征士。<br />
おう、大丈夫か。<br />
閉じ込められてしまった。これで五人、一緒だな。今、この縄を解いてやるぜ。あ、こ、これは縄ではない。糞、解けぬ。<br />
せ、征士。<br />
この吹き上げる風は。<br />
拙者鬼門を開き、人間界に戦闘を導く妖邪。ようまた鎧の気を確かめるために、艮の門を潜って参ったが。サムライトルーパーと言えと、家中のその気を在り詰められんであろう。甘い甘い。このような稚拙な罠に填まるサムライトルーパーなど、四魔将さまのお手を扱わせることはない。拙者の手で葬ってくれるわ。<br />
お前の思いにはさせん。行くぞ。武装。<br />
征士の振り上げた肘は、遼の顔を殴ったぞ。<br />
す、済まん。<br />
だ、大丈夫だ。しかし征士、この狭い空間では武装が不可能だ。<br />
ようやく気が付いたようだな。そう、ここに罠を張ったのはそのためよ。見事に填まったな。<br />
ち、畜生。武装さえ出来ればこっちの分なのに。<br />
焦るな秀。焦れば妖邪の思う都合だ。<br />
この狭い空間では、どうにもならんのか。<br />
雪隠であれを使うか。<br />
何訳の分からないこと喋ってんだよ。<br />
運動接触な。行くぞ。<br />
落ち着け、落ち着くんだ。<br />
サムライトルーパー、覚悟。<br />
心を静めれば、策はあるはずだ。<br />
そうだ。烏芻沙摩の力を。われに力を与えん。<br />
な、何だ。扉の隙間から射し込む光は。<br />
我に力を与えん。烏芻沙摩の正しき力よ。鎧なき我に、太刀振う力を。<br />
ぶ、武装もしてないのに、光輪剣が。<br />
雷光斬。<br />
遼、遼、危ない。巻き込まれる。<br />
おい、遼の奴、諸に顔を壁にぶつけたぞ。<br />
せ、征士。今の、うす何とかの力って、いったい何。<br />
トイレを守ってくれる神様だ。<br />
痛かった。...
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        <pubDate>Sun, 04 Sep 2005 15:09:58 GMT</pubDate>

      </item>

      <item>
        <title>２－５　伸の昼食</title>
        <link>http://untitled.ycool.com/post.830382.html</link>
        <description><![CDATA[ただ今から、十二時、ちょうどお知らせします。<br />
今日本当に天気がいいが。そうだ、今日の昼当番、僕だったはずだ。今日のお昼はお弁当を作って外で食べよう。そうしようそうしよう。<br />
伸。<br />
何だ。<br />
何が起こったんだ。<br />
なな、何事だ。<br />
伸、どうしたんだ。何があったんだ。<br />
僕の、僕の。<br />
伸。落ち着け。<br />
僕の。<br />
僕の。<br />
僕のお弁当。<br />
僕が、僕が三時間もかけて作ったお弁当が。<br />
その弁当がどうしたんだ。<br />
ないんだ。<br />
ないって、どう言うことだ、伸。<br />
僕が確かに、この生地をテーブルの上に置いといたのに。<br />
重箱はそこにあるじゃないか。<br />
箱は確かにある。でも、中身はないんだ。<br />
ああ、何だよ、その目は。お前が俺を疑ってるのか。<br />
秀、その手に持ってるのは、何だい。<br />
こここここ、これはただのサンドイッチじゃないか。<br />
そのサンドイッチどこで手に入れたんだい。<br />
ど、何処って、これは当麻が。<br />
いや、俺はだな、征士に勧められて、重箱の中の御握りとサンドイッチとミートボールと唐揚げをだな。<br />
ああ。俺サンドイッチと唐揚げしかもらってねぞ。<br />
何を言う。訳でやっただけでありがたいと思え。<br />
何、てめ。<br />
この俺が、飯をあげてやると言う事が事実だ。<br />
遼は。<br />
重要性が分からんのか。<br />
俺は、秀に勧められた時には、蜜柑一切れしか残ってなかった。<br />
分かってたまるか。<br />
ミートボール遣さなかったくせに。<br />
それじゃあ遼は、情状酌量の余地ありだね。<br />
ミートボールくらいなんだ。<br />
ミートボールだけじゃね。この前の肉饅だってお前。<br />
あ、ずるいぞ、伸。<br />
そうだ。遼だって食ったと言う事実に変わりないじゃないか。<br />
私益だ私益だ。<br />
だって俺が本当に蜜柑をしか食ってないぞ。<br />
あああ、俺だよ。俺が食ったんだよ。全部俺のせいだよ。俺のせいにすればいいじゃないか。<br />
やめろ、秀。自分を責めて何になる。我々はともに戦うと誓った仲間ではないか。そんな投げやりな態度では皆も悲しむ。<br />
で、征士は。<br />
私がどうした。<br />
征士は食べなかったのかい。<br />
俺は、秀に勧められた。<br />
俺は当麻に食えと言われた。<br />
俺は征士に、黙っていれば分からないからと。<br />
ふん。そう。黙っていれば分からないから。何だって。征士。<br />
いや、私は。大好きな南瓜の煮付けの匂いはしたので、いけないと思いつつふらふらと。<br />
超流破。<br />
ごちぞう、さま、でした、南瓜。...
]]></description>
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        <pubDate>Mon, 22 Aug 2005 07:08:32 GMT</pubDate>

      </item>

      <item>
        <title>２－６　スポコンバージョン</title>
        <link>http://untitled.ycool.com/post.825451.html</link>
        <description><![CDATA[スポコンバージョン<br />
遼。<br />
ななな、な、なんだ、人が飯食ってる時に。<br />
どうしたんだい、遼。<br />
ああ、勿体無い。<br />
離してくれ、俺は、俺は所詮、大迷惑な大呆け野郎なんだ。<br />
遼、落ち着いて。<br />
皆に、迷惑ばっかりかけて、皆に怪我ばっかりさせて、俺は、俺は皆の足手纏いなんだ。<br />
そんな訳ないだろう、遼。僕たちはね、この平和な世界を守るために戦ってるんだ。遼だってそうだろう。皆が幸せになるために、一番一生懸命なのは、遼じゃないか。<br />
でも。<br />
遼はそんな風に思うほうが、よっぽと悲しいよ。たとえ遼が役に立たなくて、トルーパーの中で一番弱くても。<br />
やっぱり俺は、役立たずなんだ。<br />
し、しまった。<br />
り、遼。く、苦しい。泣きながら俺の首締めるのは、よ、止せ。<br />
俺は、どうしたらいいんだ。<br />
修行だな。<br />
え。<br />
征士。<br />
修行しかあるまい。<br />
征士、修行とは。<br />
当麻、お前何処に逃げてあがったんだ。<br />
危険を察知し、自らに及ぶその苦境を見事回避してこそ、智将天空。<br />
何が智将だの。このたれめ。<br />
戻り。征士、修行とは。<br />
遼の心の乱れ、もはや荒行によって鎮めるしかあるまい。<br />
お、荒行ね。<br />
遼の心の迷いは、全ておのれ自身の心の産物。我らは如何に心を砕き、言葉を投げかけようと、遼の助けにはなるまい。<br />
ふんふん。<br />
ちょっと。遼に何をさせるつもりだよ。<br />
して、荒行とは。<br />
遼を富士山へ送る。<br />
おう。<br />
富士山は烈火の鎧復活の時にも、遼の力となり。また遼の眠りを守った、縁深い霊山。必ず遼の迷いを、見事絶ってくれよう。<br />
流石だ征士。そう言う事なら早速遼を富士の霊山へ。<br />
遼、異存はないな。<br />
遼、皆お前を思ってのことだ。一緒に富士山へ行こう。そして、おのれの迷いを断ち切るんだ。<br />
当麻。征士。俺なんかの、俺なんかのためにそこまで考えてくれるとは。俺は皆のために富士山へ行って強くなるぜ。<br />
おい当麻。お前の上着のポケットから覗いてるそのその静岡名産お茶どころツアーってのはなんだ。<br />
幻だ。<br />
空気はおいしいし、天気はいいし、やっぱり山はいいな。<br />
腹減ったよ。<br />
秀は何時もそれだな。ちょっと自然を楽しむとか、山に親しむとかないのか。<br />
空気じゃ腹は膨れないよ。<br />
情調のない奴。<br />
まだまだ。そんなことで下手なってどうする。<br />
あ、もっと情調のないのがいた。<br />
おお。<br />
97。98。99。100。<br />
原沿い40キロ、懸垂300体、下手すぎて釈解で何を得たわっていうんだ。さあ、次を<br />
いったい何しに来たんだ、あいつらは。<br />
常識と節度のある人間がやることじゃないってことは、確かだね。<br />
伸、秀。<br />
何だ。<br />
呼んでるみたいだね。<br />
行っていませ。飯かもしれない。<br />
ほかに悩み事、ないみたいだな。<br />
征士、どうして呼ぶと。<br />
どうしたんだ。<br />
伸、ご苦労だが、遼に超流破を浴びせてやってくれ。<br />
ちょっと待ってよ、征士。<br />
何か、不都合でもあるのか。<br />
不都合も何も、どうして僕が遼に超流破を浴びせなきゃならないんだ。<br />
いいか伸。遼は強くなりたいと願っているんだ。手助けしてやってこそ、友というものだろう。<br />
んだんだ。<br />
俺からも頼むよ、伸。俺は、一日でも早く、誰にも迷惑をかけずにせまい、立派なサムライトルーパーになりたいんだ。<br />
トルーパーの存在したい、迷惑だと思うけど。<br />
伸、遼のためを思うなら、一発ドーンと派手に打ちかましてやれ。<br />
あれ、当麻は。<br />
む。遼も見物人がいたほうが励みになるだろう。<br />
ずるいぞ、このたれめ。<br />
俺がずるくない時があったか。<br />
ない。<br />
俺は人生のおいしいところだけを抓んで生きてくのだ。<br />
そう、伸、友のためだ。やる。<br />
いったいどうしたんだ、征士は。目付き変わってるぞ。<br />
分からない。<br />
伸。<br />
本当にいいんだね、遼。<br />
あ。来い。<br />
後で泣いたって知らないからね。超流破。<br />
遼。<br />
大丈夫だ。<br />
もう一度。<br />
遼は水に弱いんだぞ。<br />
だからこそ、お前に頼んでいるんだ、伸。<br />
もう一著来い。<br />
本当にいいんだね。超流破。<br />
超流破。<br />
超流破。<br />
もう夜中だろう。<br />
超流破。<br />
まだやるのか。<br />
超流破。<br />
俺も寝るからな。<br />
お休み。<br />
超流破。<br />
超流破。<br />
遼、富士の山頂から見る御来光だ。光が見えてきたな。<br />
眩しい。<br />
しかしよくやった。やっと超流破の滝登りをマスターするまでになったな。<br />
征士、もう終わりか。<br />
いいかげんにしてくれよ。一晩中、徹夜で超流破を繰り返したこっちの身にもなってほしいよ。<br />
おはよう。まだやってたのか。<br />
次、秀。<br />
秀。おおい、俺、嫌だぜ。俺、将来かわいいお嫁さんもらって、かよの中華料理店を継いで幸せに暮らすんだからな、もし遼に何かあっても責任とれないよ。<br />
行け、秀。友のためだ。<br />
遼。<br />
いいからドーンと来い。<br />
秀。<br />
俺はもう、しようがねからな、ちゃんと避けるよ、遼。岩鉄砕。<br />
遼、だ、大丈夫かい。<br />
もう一著来い。<br />
おら知らないぞ。岩鉄砕。<br />
岩鉄砕。<br />
青春、青春。<br />
岩鉄砕。<br />
岩鉄砕。<br />
おらもう駄目だ。<br />
僕も。遼が強くなる前に、こっちが病気になるよ。<br />
征士、やったぞ、ついに岩鉄砕と超流破を見切ることができたぞ。<br />
よくやった遼。よし、己の力でここまで這ってくるのだ。<br />
征士。<br />
雷光斬。<br />
征士、いきなり何を。<br />
遼、お前は今、伸の超流破と秀岩鉄砕を見切ったと受かれていた。その喜びがお前に隙を与えたのだ。<br />
征士、お前、そこまで考えてくれて。<br />
遼、私を憎んでもいい。憎んで憎んで、そして強くなれ。やがてあの大空のでっかく輝く星となるのだ。<br />
征士。<br />
遼。<br />
ありがとう、征士。これで俺も立派なトルーパーになれるな。<br />
馬鹿者。泣く奴があるか。お前は自らの力で、伸と秀とこの私の技に勝てたのだ。<br />
あ、夕日が眩しいぜ。<br />
む、む。<br />
誰だ、征士に変な漫画を読ませて洗脳したのは。<br />
あいつ、たれめの当麻。<br />
青春、青春。...
]]></description>
        <guid isPermaLink="true">http://untitled.ycool.com/post.825451.html</guid>
        <pubDate>Fri, 19 Aug 2005 07:08:17 GMT</pubDate>

      </item>

      <item>
        <title>おめでとう、遼</title>
        <link>http://untitled.ycool.com/post.818356.html</link>
        <description><![CDATA[おめでとう。お誕生日を。<br />
もう三十二になったね。もうおじさんになったような気がする。そういってるのに、実は、なんの実感はないね。<br />
記憶の中に残っているのは、ただ、あの時の様子だけだ。そう、それだけしかない。時間は変なもんだね。私をますます大人にしている一方、あなたはずっとあのまま残っているんだ。なんと不公平だね。そう思っても、何の用がない。そして最後、あなたが私と違う世界にいるのをもう一度分からせただけだ。そう、そうだった。私の目が見えぬ、手が届かぬ世界に、あなたたちがいる。すり違うチャンスが、ありえなかった。届けるのは、ただ思いのみ、かもしれない。いいえ、そう信じるしかない。でなければ、気が狂って、徹底的に絶望することもなれるかもしれないから。<br />
どう会いたくても会えなかった。どう探しても探し出すわけがない。それは真実だ。繰り返して自分をそう教えても、君への気持ちを押すことができない。たとえどんなに忘れたくても忘れられない。君を知ってから、ますます、自分らしくないものになってきた。それはなぜなんだ？教えて欲しいね。<br />
まあ、そんな話題は、やめた方がいいかも。お誕生日だから。<br />
側に、友達がいるんだろう？決して一人ではないだろう？ならいい。どういっても、破壊された誕生日など、三つでもあんまり多すぎる。そんなこと、もうないだろう。平和になったから。あなたたちが作りあげた世界に、楽しんで生きていくように。...
]]></description>
        <guid isPermaLink="true">http://untitled.ycool.com/post.818356.html</guid>
        <pubDate>Mon, 15 Aug 2005 09:08:20 GMT</pubDate>

      </item>

      <item>
        <title>メッセージ　彷徨える心</title>
        <link>http://untitled.ycool.com/post.818348.html</link>
        <description><![CDATA[武装、天空。<br />
やめろ。やめろ。やめろ。やめろ。<br />
武装。<br />
確実に我々を導いている。それが光なのか。それが定めなのか。<br />
残念だったな。俺は輝煌帝の部品になるつもりは、ないぜ。<br />
な、なんだ。<br />
秀。<br />
やめろ、秀。<br />
武装、金剛。<br />
秀。<br />
始まりなのか。それともこれが終わりなのか。<br />
彷徨える心<br />
弾みし心にで、自然を感じたい。季節の見せるさまざまな姿は、美しくもあり、力強くもあり。伸び行く若葉に、罪はなかろう。春は曙か。春は特に好まれる。柔らかい日差しが、気持ちを穏やかにしてくれる。季節の変わり目を、優しくしえてくれる始まりの季節。気持ち新たに、あれもこれもと、思いは馳せる。季節は、幾度となく巡る。何もかも忘れ、人は旅立ってはいないか。夏は、日差しの陰った後が美しい。全ての色は、光の中に見失う。強き日差しに、力強い季節を見る。万物が生き生きとその時を過ごす。眩い光の中に、息吹を感じる。日が翳り出したその時、空がより一層な鮮やかな青を増す。山々の若葉は、仲間の枝葉に落とす、新緑の影と相まって、彩りに、有難みすらを浮かばせる。夕暮れに、特に心を光れる。疲れ果てた一日の終わりに、より一層の感情を煽られる。例えば、海。ただ白く、眩しく輝く日は、見事な世界を見せる。夕日は、全てを茜の世界に包み込む。空はもちろんのこと、海も緋色は照り返される。海面鏡は、空の心を映すかのように、忠実に緋色に染め上げる。世の中の雑踏を忘れた時、自分に問いかける。自然の中、自分だけが浮き上がっているのか。日の光に照らされれば、白く輝き、夕日にはまた染まる。確かに清らかな流れは、多少の濁りに動じはせぬ。出来事を楽しむかのごとく、優しく流れに包み込む。心変わらぬ限り、付き纏う迷いか。多くを思い、多くを悩む。既に気付いた道に迷いはない。ただ、時間が止まり、言葉要らぬ時、ふと、もう一人の自分を生み出すことがある。図々しくも、この身を季節に預けた時に思う。バサバサと、空気を乱す音が聞こえる。初めて知った、燕の羽音か。空に自由に泳ぎ回っていたかのように見えた燕に、こんな一面があるとは。あまりにも大きな音だけど、気に留めたことなし。風の中、小さくかぼそい羽は、折れんばかりに撓っていると思う。目に留まらぬ姿が、凄まじさを余計に感じされる。あたりが、あまりにも静かということか。それとも、全てを知り尽くして、何も興味を引くものがなくなったからか。荒々しいその羽音に、驚きもあり、そして、全てを知っていたかのように思っていた自分の誤りを見つけ、喜びと感じる。だが、本当は軽やかに飛び交ってもらいたい。この季節に、その方が相応しいと思う。自分の角屋敷地を選び、旅をする鳥に、季節の美しさを教え付けても仕方あるまい。大海を渡る意気地は、分かってやりたい。日の落ちた後、夜空は見事。決して温もりはない。だが、心地よさを与えてくれるのは、不思議なことと思う。その日の出来事の、よきにつけ悪しきにつけ、星空を見上げることは、気持ちのよいもの。満天の星が、あまりに見事のため、本来は考えなくてはならぬ全てを忘れさせてしまう。自然の偉大さに、身を委ねることは心地よい。支えな物事に与えられた時間は僅かなもの。喜ぶもよし。悲しむもよし。心を遥かに越える流れを、感じ取りたく思う。秋は、突然訪れる。全てを見つめ直させるかのように、空気は冷たさを増す。弥が上にも、自分を神妙にする。けたたましく覚えた過去は、心に残した傷をうつませる。秋は厳しさを見出す。ゆったりと青々としていた木には紅葉し、季節を終わりへと運ぶ。散り行く葉を哀れに思う。夏の齎した屍にまで、何故か拘ってしまう。頑強な幹はそんな思いを寄せ付けず、甘えともとらえる押し付けの感情を無視する。自然の厳しさは決して感情など気にする様子なし。よって、心惹かれるかと思う。押し付けの拘りは自然の極み。漂う心を惨めとも思う。目の前にした季節は、大変分かりやすい。夏に衣を脱ぎ、冬に衣を重ねる。幼子の時より、何も変わらぬ。疑うことなく装うことが、自然と身に付いたのか。繰り返されてきたことに、疑問はない。あやふやな心を、哀れと思う。季節によって揺れる心。幸せを求めるがゆえか。繰り返される物事に、思いが積もることがある。幼少の時の、汚れなき心は、まるで衣のように軽やかに風に待ったのかもしれない。波風も立つ。自然とはそういうもの。弱い木々は吹き飛ばされ、地に根付いていたもののみ生き延びる。ただ飛ばされぬことのみ気にし、実をつけることを忘れてはいないか。小さくも、実でもなればよい。ただ時を重ね、無駄に土地を枯れさせてはいないか。肥沃な土地だと言えど、遊ばす余裕はなかろう。もし、実がなっているのなら、一つずつ味わってみたいもの。しかしまだこの目にしたこのなし。遠くの山の頂に、雪が積もり始めた。この足元の地面も、雪が覆うこととなる。地面から滲み出るかのように、こちらに迫ってくるのに時はかかる。冬。雪とは、明るきもの。雪を含みし雲があるためか、夜空が重々しく見える。その暗闇から、白き雪が降る。既に降り積もった雪は、落ちてる仲間を仄かに照らし出す。仲間と混じるまでの僅かな時を、何故照らす。何ができよう。困ってしまえはしないか。振り落ちてくる雪と雪が擦れ合う音なのか。かさかさと、辺りは華やかでそくわぬ。雪とは、脆く崩れやすきもの。血に付かぬ者たちの叫びなら、哀れである。果てぬ思いが、積み重なるは誰氏も同じこと。小さな種はやがて根を出し、葉を開く。花咲かさんと大きく伸び上がり、光を求める。罪なき姿こそ、自然の中には相応しい。春はやはりよい。全てに優しい。日の光も草木も風も。健気な花はどうなるのか。振り向かれることなく、自然に枯れ土となるのか。また、それもよいのではないか。<br />
その鎧は、お前の心が作り上げたのだ。<br />
悲劇への、果てしない思いで。<br />
征士様、何をお探しか。過去の自分に押しつぶされた負け犬、暗闇の未来にうちのめされた弱虫、理想を真実と取り違えたお人好し。ここには、そんなものしかありませんが。<br />
彷徨える心。その心が私を呼んだ。<br />
何が分かる。お前に何が分かるというのか。<br />
輝煌帝のことは、説明していないのか。秀か。伸か。当麻か。そうか。当麻が話していたのか。<br />
お前は鎧世界の未来を感じ取ってしまったのだ。何も変わらない、何も生み出さない。人の心は時を忘れ、時代を忘れ、鎧を忘れる。少しは分かっているつもりだ。理解されぬ孤独を。<br />
だからこそ、輝煌帝は必要。この世から、全ての悲しみを消し去るために。<br />
確かに悲しみもなくなるだろう。だがそれだけではない。全てが消え去るのだ。夢も、希望も、そして未来も。失うことの悲しさ、お前が一番知っているはずだ。<br />
ここは。<br />
闘士狂言鎧舞台の始まりだ。いらっはいいらっはい。<br />
江戸末期。鎧舞台。<br />
お支度を。お支度を。<br />
危ない。早く逃げろ。<br />
このものたち、鎧武者演舞を出し物と偽り、お神を愚弄、恐れ多くも神の声として、この世の終焉を喜ぶ。その行為は、幕府に深く反抗するものである。よって、死罪を申し渡す。<br />
討つな。<br />
あなたは、今妖邪となりました。そのおぞましき怨念の力、妖邪になって当然。でも、誰もあなたを咎められません。あなたにも、咎めさせません。<br />
だから輝煌帝が必要なのだ。さあ、さっさとその鎧を付け。サムライトルーパー、光輪の征士よ。さあ、早く。早くお付けなさい。<br />
すずなぎ。<br />
さあ、早く。<br />
さあ、つけなさい、この鎧を。<br />
武装。<br />
...
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        <pubDate>Mon, 15 Aug 2005 09:08:01 GMT</pubDate>

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        <title>天空伝　その三</title>
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        <description><![CDATA[こいつらと生活を始めてから、万事が万事こんな調子で、俺は自分のパターンを崩されてばかりだった。俺の想像の範囲を越えた連中の行動に、俺は面くらい、腹を立て、なかなか馴染めずにいった。自分でも気を使っているつもりでも、今にして思えば、どれも一人きりでやって来た勝手気なままの生活のつけなのだろう。例えば秀などは、あれだけわがままに見えても、大家族の中で育ったせいなのか、何かとこまめによく動くし、案外色々と気が付く。伸はもともと気配り人間だし。征士の規則正しさには頭が下がる。一人で生きてきたと言うことでは、遼も同じなのだが、あいつは不器用ながら持って生まれた真っ正直な性格で、何とか皆と会わせようと地味地味と努力している。つまり、俺だけが、適度に便利で、適度に勝手に自分のやりたいように生活していたわけだ。そのくせ、自分がどこも変わっていない。そして、一番正しいのは自分だと言う思いも、無意識にあったに違いない。<br />
全くもう。くだらない喧嘩はいい加減にしなさい。どっちもどっちじゃないの。<br />
元後いえば、当麻は飯に来なかったのは原因なんだぜ。<br />
そのとおり。<br />
でもまあ、本当に燻しだったのは、行きすぎだったかもね。<br />
許してやれよ、当麻。<br />
二人とも悪ふざけが過ぎたのよ。<br />
別に俺は怒ってなんかいないさ。<br />
その割には不機嫌そうだな。<br />
厭きれてるだけだ。<br />
何がだよ。<br />
いいとしをして、高が食事時間のことぐらいで。<br />
お前の方だってそうじゃないか。<br />
どうしてたよ。<br />
まあまあ、もういいじゃないか。<br />
当麻、お前、団体行動と言うもの知らんのか。<br />
お前にそんなことを言われる筋合いはないな。<br />
いい加減になさいっていうのに。当麻も素直じゃないわよ。<br />
とにかく、俺はこんなくだらんことに非常な時間をつぶすのはごめんだ。<br />
かわいくないな。<br />
かなり性格が歪んでるな。<br />
何が気に入らないんだろう。<br />
なんか、違うんだよね、当麻の感覚って。決して嫌な奴じゃないのに。天空の鎧の心。<br />
智の心。同じ鎧の心でも、一つ俺たちと違う部分があるかもな。でも皆、絶対分かり会うはずだ。<br />
何かを警戒しているようにも思えるな。<br />
天才ってのはやっぱ俺には理解できないよ。ああ、腹立つぜ。飯にしようぜ、飯。<br />
当麻、いるんでしょう。入るわよ。<br />
なんか用。<br />
おなか減ってるんでしょう。あなた見かけによらず大食客なんだもの。気が付いたろうから。ここに持ってきておいでわよ。<br />
ナスディ。<br />
当麻、あなた、皆とどうやって付き合っていいか、よく分からないんじゃないの。<br />
怒らないでね。でもあなただって、自分で案内意地張るつもりはなかったんでしょう。なんとなく引っ込みが付かなくなっただけじゃなくて。<br />
そんなことじゃ。<br />
大きなお世話かもしれないけど、あなた、ずっと一人で暮らしてたって言ってわね。<br />
いや、一応親父と。<br />
でも、めったに帰ってこないって。<br />
ああ。<br />
それに、兄弟もいない。それじゃ嫌でも大人のふりがうまくなってしまうよね。しかも、本当の友達とか仲間って、今度は初めてなんでしょう。<br />
ナスディ。<br />
伸も似たようなところがあるわ。でも彼は人とのコミュニケーションが上手なのよ。何時も色んな人と関わっていたから。でもあなたは、一人の上に特別扱されていたんだものね。<br />
俺は別に特別なんかじゃ。<br />
ええ、そう。あなた特別なんかじゃないのに、回りの大人は勝手に特別だと思ってたの。大変だったでしょうね。だって、当麻ってすごく普通なんですもん。だから本当の、友達って意識途端に、なんかご、きこちなくなってしまうんじゃなくて。だから、もっと気楽にしていていいのよ。皆仲間なんだから、思ったとおりにやっても。ここにいるのは、皆同じ鎧の心に共鳴した仲間同士よ。もしかしたら、血のつながりよりも、もっと強いもので共鳴しよう仲間なのよ。そこに目を向ければ、うまくいくんじゃなくて。ここには、喧嘩したって悪ふざけしたって、気にしなくていい人しかいないのよ。<br />
こんなことを言われたのは生まれて初めてだった。ナスディがこんな風に俺を見ていたなんて、正直驚きだ。確かに俺の知識の中に、気兼ねの要らない友人というものはない。だが実は一人、俺にとって本当の友人に、最も近い人がいるのだ。でも、やはり、友人ではない。ただ俺に気を使わせない、使う必要もない、そんな相手なのだ。...
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        <pubDate>Thu, 28 Jul 2005 08:07:41 GMT</pubDate>

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